[Column]I Quit My Job

リアルネタは極力避けてきましたが、転機なので。

4月早々に何ともよろしくないタイトルではありますが、仕事を辞めました。

厳密には4/15付での退職となりますが、諸手続きは終わっていますのでもう会社に行くことはありません。現在は有給消化中という体です。

私が務めていたのはIT業界でSIerと呼ばれる類の会社です。所謂「独立系ソフトウェア開発会社」というやつです。ただ、その実態はほぼ人材派遣でやり繰りしているような状態で、ITスキルの必要ない職場へ飛ばされる人も多かったです。その仕事も2次請け、3次請け等の下請けばかりで、私が聞いた限りでは5次請けという案件もありました。自社で何か開発をし、それを売り込むような事は一切ありませんでした(2年前くらいからAndroidアプリをちょろちょろやってたみたいですが)。

私はほとんど開発の案件には就けませんでした。3ヶ月程度Perlでの開発の案件(というか、数年前にうちが納品した製品の改修)を少しやった程度。時期的にリーマンショックから続く不況で開発案件自体が減っていたというのもありますし、私自身が文系出身でそれほど技術的なアドヴァンテージが無かった事、そもそも会社が大きくなったのが10年以上前のガラケー全盛期に携帯電話開発で大量に社員を送りだしていた事等など。色々と複合的な要素がありました。

仕事がない間は自社で研修をやっていました。噂の社内ニートってやつですね。社会人になってから約半分以上は社内ニートだったんじゃないかと思います。もう、この時点で8割くらい腐ってました。周囲の人間も「仕事しなくても給料出てるしー」みたいなレベルの連中ばかりでしたしね。腐ったみかんのうんたらかんたら。当時は、雇用調整助成金制度もありましたので、会社としてはどんどこ研修にぶっこんでました。

結局、最後の2年間は某スマートフォンの評価業務を行なっていました。元々スマートフォンを始めモバイル機器に興味はありましたし、外資でしたので英語の読み書きが必須という事、後は当時の上司に気に入られていた事もあって白羽の矢が立ちました。このプロジェクトに行ってなければ、もっと早く辞めていたと思います。

スマフォ評価にも程々に飽きてきた去年の夏頃、急に会社の経営が不味くなりだしました。そりゃそうです、大量の社内ニートを抱えているんです。本当に出来る人は早々に辞めて仕事のある会社に転職してきますし、社員の全体的な質はドンドン落ちていきました。経営が不味くなる前からも、何度か部長や取締役が独立して別の会社を設立し、社員やプロジェクトを引き抜くという事もありました(会社への背任行為、競業避止義務違反になるので提訴される)。

あまり詳細に書くと身バレしそうなのでこの辺にしておきます。年明け早々に何度目かの社員向けの説明会があり、もう、この会社は無理じゃないかと確信しました。疑義が確信に変わった瞬間でした。その後、プロジェクト内でも色々とゴタゴタして、結局、?今の会社に残るか、?別の会社に移籍してプロジェクトを続けるか(要するに他社が自社のプロジェクトを掻っ攫う)、?辞めるかという選択を迫られる事になります。

辞めるには最高のタイミングでした。今の業務には飽いました。IT業界そのものにも良い思いはありません。このままココで働き続けたところで何かしら技術的な進歩が望めるわけでもありません。社内ニートに戻って、沈みかけた船に残るなんて最初から選択肢にありません。また、年齢的にも別の道へ転進するなら今しか無いというタイミングです。

プロジェクトメンバーの大半が?の道を選びました。とりあえず?を選んで転職活動して早いうちに辞めるという人もいました。私もそうすれば良かったかもしれませんが、そのままダラダラ居続けて時間を無駄にしてしまうのではないかという恐れもありました。この辺の立ち回りはかなり熟慮しましたし、両親とも何度も話し合いをしました。

どうするのがBetterなのか…恐らく答えが分かるのは数年後になるでしょう。

今後についてですが、実家に戻って元居た畑…法律関連の方面に進もうと思っています。1年で脱出できればめでたしめでたし。しかし、そんなに甘いもんじゃないのである程度は覚悟しています。IT業界に未練がないと言えば、まぁ、嘘になるのかもしれませんが、業界で働きたくはないという気持ちの方が遥かに大きいです。業界を語れるような仕事はついにさせてもらえませんでしたけどね。

それと、やっぱり会社の体質がブラックだったんですよね。有給は取れないし、1年目の時は退職勧奨という名のパワハラもありました。1年目の2月から3月にかけて、そうやって圧力を受けて週に一人、部内の人間が辞めていってました。原因がパワハラなのか過労なのか知りませんが、自殺者が出たという話も聞いています。でも、某和○に比べればヌルいかもしれませんね。社長のビデオレターなんてありませんでしたし。

社員は使い捨てです。個々の社員の成長よりいくら単価が付くかの方が重要です。だから、スマートフォン評価なんて何の技術的成長も望めない場所に4年も5年も同じ人間が入ってるんです。入社してからその職場しか経験してないという人も居ました。もう、他では使いものにならないです…特に開発とか無理です(本人の努力次第だけど、それでもひどい話)。単価が上がるならお客さんに嘘の業務経歴書も平気で出すし、年次だって2つくらい水増ししてます。お客さんも分かってるんだろうけど。単価の契約じゃない場合は、出来るだけ少ない人数で開発をやろうとします。これは業界じゃ普通なのかな?でも、残業代は出ないから…。

今日、初出社の新社会人がココを見ているとは思えませんが、死なない程度に頑張ってください。そして、やり直すなら早いほうが良いです。せっかく勝ち取った貴重な内定でしょうけど、仕事にやり甲斐を見いだせないまま40年近くもその会社で過ごすのは勿体ないです。私だってもう数年早く、余裕をもって辞めていればもう少し選択肢があったかもしれません。

これは業種問わずですが、会社がいつ、どうなっても良いような”スキル”を備えておくというのは大切な事です。それは今回身を持って経験しました。大昔のように、会社に帰属するだけの時代は終わりました。いくら貴方がまじめに働いていても会社給料を出さなくなりますし、希望退職者を募ったりリストラしたりしますし、最後には潰れます。そうなった時、何を頼りに次の道を探すか、です。技術、経験、人脈…もし、3年?5年程度働いて、これらが得られていないなら、転職を考えたほうが良いのではないかなと思います。得られなかった原因は会社にもあるかもしれないし、貴方自身にもあるかもしれないし、その両方かもしれません。理由が何であれ、それは貴方が別の道を探すきっかけとしては十分過ぎる理由です。

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